機動戦士ガンダム アフター・ジャブロー


2014年3月24日発売の少年サンデーS増刊号より短期集中連載開始(全3話)

少年サンデーの企画「宇宙世紀コミック大賞」で入賞をいただいた流れで
前後編(後に3話構成に)の短期連載の企画を立ち上げることになりました(喜)

もともとロボットやガンダムが大好きだったんですが、まさか自分が
ガンダムワールドを舞台に漫画を描けることになるとは思いもよりませんでした。

しかも短期とはいえ念願の初連載。心の底から感謝しております。

サンライズさんからは一年戦争を舞台にとのことだったので
個人的に好きなジャブロー降下作戦を主軸にすることにしました。

ちょうどコミック大賞の応募作品を考えていた時に、思いついたものの
とてもページ数が足りないと思っていたネタがあったので、

よい機会をいただけたと思い膨らませてみました。膨らませて膨らませて
結局、削る作業が大変だったんですが(笑)

第一話の設定部分の解説を書いてみました。漫画と照らし合わせながら
暇つぶしにチェックしてもらえたら幸いです。


ジャブローについて

地球連邦軍の本拠地ジャブローとは、南米アマゾン河流域の地下に建設された巨大な基地のこと。
また同時に宇宙戦艦の建造やMS(モビルスーツ)の量産が可能な施設が整っていた。

しかしその場所は、詳しくは設定されていないように、作中でも秘匿されており、

ジオン公国軍が一年戦争の初期に行ったコロニー落としも、結果的に軌道がそれて
オーストラリアのシドニーに直撃してしまうものの、当初の目標はこのジャブロー基地で、

丸ごと破壊してしまおうという思惑があった。

ジャブロー降下作戦について

ジオン公国軍は戦端が開かれた当初は快進撃を続けたものの、
地球上で拡大した戦線は各地で物資不足をまねき、連邦軍におされつつあった。

そのような状況を打破すべく、北米のキャリフォルニア基地からガウ攻撃空母の編隊を
南米アマゾン上空に送り込み、多数のMSを降下させジャブロー基地攻略を計った。

各作品での描かれ方

以上がジャブロー基地の位置づけと降下作戦の経緯なのですが、作品によって
描かれ方がだいぶ違います。

TVシリーズでは「ジャブローに散る」というタイトルでしたが、それとは裏腹に
あっさりと作戦は失敗、一日で終わってしまうのでしょうがないのですが・・・。

安彦良和先生の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(8巻)では、設定が大きく異なり
ジャブローの場所がギアナ高地になり、夜間にザクの大部隊が地下基地に潜入するものの

ギャグテイストの指揮官のためにあっという間に殲滅され・・・(涙)
地球でのクライマックスをオデッサ作戦と入れ替えたためだと思いますが、

ジャブロー降下作戦好き?の僕としては非常に残念な変更で、ちょっとショック。

個人的ジャブロー観

では僕の言うジャブローとは何かというと、それは近藤和久先生が『MS戦記』で
「ジャブローに燃える」と題して描かれた激戦のジャブローなんです。

その後、近藤先生が描かれた『機動戦士ガンダム0079』(6〜7巻)ではさらに激戦。
そうジャブローは熱くなくては!というのが僕の中でくすぶっていた感情でした。

同作品には、作戦失敗後にからくも脱出する兵士の姿が描かれているのですが
それならば戦場に取り残されたジオンの兵士もいたはず、というのが

アフター・ジャブロー構想のきっかけになっています。


暇つぶし設定解説

若干ネタバレもあるので一度読んでから、漫画と見比べて読んでいただけたら幸いです。

表題 アフター・ジャブロー
悩みのタイトルは、ジャブローが舞台で降下作戦の跡を描くのでアフター
またWガンダムは「アフター・コロニー」、ガンダムXは「アフター・ウォー」と

ガンダムシリーズでも耳にする単語なので、これに決めました。
ちょうどウィル・スミスの映画で『アフター・アース』というのもありました。

タイトルロゴをかっこよくデザインしてもらえたので大感激です。

P1 コロニー
1コマ目は、宇宙移民が暮らすスペース・コロニー建設の様子。
それが2コマ目には、ジオン公国軍によって地球に落とされてしまいます。

ガンダムを知らない人のための経緯説明部分なんですが、どこまで書くか
かなり悩みました。でもページの都合上これが限界でした(汗)

  ガウ攻撃空母
3コマ目は、ジオン公国軍の物資輸送や絨毯爆撃を行う空母。
翼上のハッチからはドップ戦闘機。前後の大ハッチからはMSを投下。

ジャブロー降下作戦では18機が来襲。それぞれに3機MSが搭載されていた
そうですが、搭載機数の設定によって作戦の規模もだいぶ変わると思います。

  裏切り・血・絶望・死
このあおり文句の雰囲気は、僕の大好きなゲーム『Gears of war3』の
ダウンロードコンテンツに登場する主人公のおっさんバリックが冒頭で

「戦争についてちょっと言わせてくれ(略)血・銃弾・死、ああそいつも戦争だ…」
と言っていたのを意識しています。

  ドムとザク
このドムは後で登場する残党軍のリーダーであるボルガーの機体。
後ろには相棒のノイマンが操縦するザクがいます。

ザクのデザインは『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』から
後期生産型としてまた、プラモデルに付属してるヘルメット頭部にしました。

P2 降下するMS
この降下中にも多くのMSが対空砲火の餌食に…。TVシリーズでは

なんと水陸両用のズゴックまでが投下されていると話題になることも
あるので、この見開き表紙の中にもこっそり登場しています。

  サブタイトル
第1話「深淵のキメラ」正直作中でキメラと呼ばれることはほとんどないのですが
改造ガンダムの識別名として、ギリシア神話の複合獣にちなんでキメラとしました。

はじめは「密林のキメラ」にしようと思ったら『08小隊』で「密林のガンダム」
じゃあ「戦慄のキメラ」にしようと思ったら『外伝シリーズ』で「戦慄のブルー」

とかぶりまくってしまい、結局このサブタイトルに落ち着きました。

P3 ガンダムの顔
ガンダムの顔が大きくド〜ンとあるのは映画の『機動戦士ガンダムF91』の
エンディングなどのイメージです。

P4 陸戦型ガンダム
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場する簡易量産型のガンダム。

ジャブローに配備されていたのかは定かではないのですが、生産されたのが
まさしくジャブロー基地で、その後に東南アジア戦線に20機ほどが投入。

『08小隊』のストーリーラストが、ジャブロー降下作戦の前後にあたります。
ちなみに同作品に登場するジオン軍のアプサラスは本来はジャブロー攻略用。

『アフター・ジャブロー』での陸戦型ガンダムは肩に「00」と入っているように
ジャブローで初めて生産され、評価試験用として同地に残された一体という設定。

そのテストパイロットが主人公の兄イツセでした。

  ジム
陸戦型ガンダムと合わせて陸戦型ジムでも良かったかもしれませんが、
やはりジャブローなので量産型ジムに、ただ下書きはシンプルな顔で

描いていたんですが、逆に雰囲気に合わないとの指摘を頂いたので
ジム改との間を取って?『0080』の寒冷地タイプに近くなりました。

  パイロットスーツ
基本的には宇宙と同じノーマルスーツで描かれることが多いのですが

やっぱり地上だし、独自性を出したいと思い『機動戦士ガンダム0083』に

登場したテストパイロットスーツを着せてみました。登場キャラもみんな
テストパイロット出身なのでちょうどよかったと思います。

P5 ジムスナイパーカスタム
熟練パイロット用のカスタム機。肩の二本線は指揮官の意味でつけました。
パイロットのクオーツが宇宙に行けなかったことを憤慨するシーンがありますが

おそらくこの機体で宇宙に行く予定だったのだと思います。ビームサーベルは
MSVのプラモデル箱絵を参考に左腕に据え付けられたタイプにしました。

結果的にガンダムの目を突き刺す、独特の動きができたのでよかったです。

P7 高射砲塔
最後のコマにちょろっと出てくる高い塔。地下から伸びて砲撃を行います。

近藤先生の漫画ではハイパーメガビーム砲が搭載されていて驚異の威力を
発揮していましたが、さすがに強すぎるので普通の砲塔にしました。

P8 弓をひく先住民
『機動戦士ガンダム写真集 M.S.ERA0099』という戦場カメラマン視点の画集

その中の記述「ジャブロー降下作戦に遭遇したインディオがMSを
悪魔の使いと呼び弓を射かけて殺そうとした」から採ってます。

近年でも事実かわかりませんが、近代文明に接触してない未知の先住民が、
空撮するヘリに弓を構える画像が話題になりました。

  白い悪魔 ボラロ
アマゾン上流に住むトゥカノ族に伝わる恐ろしい森の精霊のこと。
ボラロとは「白い者たち」という意味で人間を食べるとされる。

ちょうど白制服の連邦軍に当てはまると思い取り入れました。

P9 ジャブロー基地の拡大
終戦後、秘密にされていた入口も偽装林が撤去されあらわに。
Zガンダムで登場する地表の滑走路などが整備されています。

  作業用ガンタンク
冒頭で紹介した近藤和久先生の漫画に一コマだけ出てくるものを
モチーフにしました。旧式なので砲身が除かれ作業アームに。

  Jrモビルスーツ
Zガンダムに登場する月面作業用の小型ロボをアレンジして
ガンタンクの右下に描いてみました。後ろの格納庫にはミデア輸送機。

  主人公
戦後、兄の失踪を咎められた主人公は、喧嘩沙汰を繰り返して
工事現場の作業パイロットとして、落ちぶれた日々を過ごしています。

P10 トゥカノ族
実在するアマゾンの部族の一つ。デザイン的には色々な部族のものを
参考にして、どことなく古代マヤ文明を彷彿とさせました。

主人公の服装
ベトナム戦争の米軍兵士をモデルに、連邦史上最高?の着崩しを
目指したんですが、まだまだですね。

P11 ロジーナ
主人公と同期の女性士官。ある日突然『08小隊』のキキと名前同じじゃない?
と言われて「え?」っと思って調べたらキキ・ロジータだったのでセーフでした。

採用基準
米軍でも兵員確保のために基準を下げて、犯罪歴がある者まで採用するので、

一年戦争で人口が半減した上に、宇宙までカバーしないといけない連邦軍は
極度の人員不足に陥ったと思います。

P12 ジオン残党
手前のザクの左手がないのは、参考用に引っ張り出した小学生のころに作った
プラモの手がとれていたため。ちょうど壊れた表現にいいと思いました。

P13 青いドム
青色はZZガンダムの青の部隊を意識しています。ドムにパーソナルカラーを
つけるならやっぱり青が一番しっくりくると思います。緑もありかな・・・。

  ドム・クレーター
新型機というわけではなく連邦軍がつけた通り名です。その名の通り無数の
弾痕が月の表面のようだからです。これまた近藤先生の漫画で無数に被弾

しまくっている様がかっこよく、ボコボコだろうなと思ったのが最初です。

P14 ヒート・ホーク
本来ドムの装備はヒート・サーベルですが、ザクのヒート・ホークも
なかなか似合います。振り上げた姿が絵になりますし。

P15 破壊されるガンタンク
『08小隊』では主人公がボールでザクを相討ちにしますが、武装なしの
ガンタンクと歴戦のドムでは、そうはいかないと思いました。

ただ主人公も操縦技術はあるのだということを示すために、
ヒート・ホークを紙一重でよけさせたりしました。

P16 振り向きアッガイ
よ〜く見ると後ろにいるアッガイのポーズは、TVシリーズで
ジャブローのトーチカを破壊後、振り向いて仲間に合図する

ポーズがかわいすぎたので、やってみました(笑)

ヘッドホン
キャラ小物として主人公につけたヘッドホン。当初は兄の音声データを
これで聞く設定でしたが、小型の映像再生機器(すまほ?)に。

出番なしかと思ったら敵無線の混線で使えました。

P18 准尉どの
軍隊で階級が下がることがあるのかわからなかったので

主人公は伍長のままで、同期だったロジーナは准尉になっていたため
それを皮肉るシーンにしました。

P19 ジープの下敷き
そういえばクオーツ少佐は?と思ったときに実はジープの下敷きで
それをひっくり返してでてきたらちょっと面白いとおみました(笑)

  クオーツ少佐
『パンドラム』というSF映画のデニス・クエイドがモデルです。
劇中で主人公を「伍長」と呼ぶのが印象的で、主人公も伍長にしました。

P20 エリアS-3
宇宙のア・バオア・クーで「Nフィールド」という言い方をしていたので、
東西南北、平地ではエリアがいいかな?という具合で考えました。

P21 スキンヘッド
七三だったクオーツ少佐が坊主に!ストレスが原因か?真相は次号?

P22 ペガサス部隊
ホワイトベースの活躍にちなんで作られた設定。「JP」はジャブローペガサス。

裏設定は、ギリシア神話でキメラを退治したベレロフォンがペガサスに乗っていた
ことをかけています。デザインはわざと不釣り合いなカワイイものにしました。

陸戦用ジム
『08小隊』の「陸戦型ジム」とは違いMSコレクション登場の「陸戦用ジム」です。

本来は市街地戦で、ビルの上に露出する上半身の装甲強化タイプなんですが、
ならば木々の上に露出する上半身でもありだと思い、転用されたことにしました。

当初は顔のデザインはそのままでしたが作品の雰囲気に合わないとの指摘を
頂いたので、デザインし直してみました。結果ネモに近づきました。

P23 ヘビーガンダム
最近の『MSV-R』での設定は3、4機作られ、1機は大気圏突入テストでロスト。
その他はテストベット機として運用。実戦参加の記録もあるようだが未公表。

個人的に好きな渋いMSだったので登場させてもらいました。
デザインはゴツ過ぎるとフルアーマーガンダムになってしまうので、ほどほどに。

FSWS計画
ガンダム重装化計画のことで何の略かは、正式に決まってないようです。
フルアーマード・サポート・ウェポン・システムはどうでしょうか。

北米基地
一年戦争時はジオンが占領して、ガウ攻撃空母の編隊をジャブローに
送り込んだキャリフォルニアベースのこと。後に連邦に奪還されました。

その時の話は外伝シリーズの『ブルーディステニー』だと思います。

P24 シュミレータ
陸戦型ガンダムのテストパイロットを決めるための最終試験。

ここのジムは、時期的に最も初期のシンプルなものにしました。
ラインが多いのは、どこに被弾したか計測するためのものです。

P25 教官
ここでのクオーツはテストパイロットを統括する教官の立場です。

P27 先住民の家
川の近くにあるので、高床式にそました。

P29 ガンキャノンU
ジャブロー戦時に出撃するも反応炉の故障により、戦わずに撤退したという機体。

こちらも元のデザインが合わないとのことで、よりガンキャノンな顔にしました。
ビームキャノンの大型化で、コックピットを左胸に移したというのが独自の設定です。

P30 墜落したガウ
P7で墜落した空母ガウの残骸。ガウも墜落することを印象付けたくて描きました。

アマゾンの雨季
12月から4月にかけてがそれにあたります。『アフター・ジャブロー』は
一年戦争後の後日譚なので宇宙世紀0080の4月半ば以降を想定しています。

この感覚は
背後の構造物から飛び降り、奇襲を仕掛ける。シュミレータでの戦闘と対応。

P32 改造されたガンダム
右目と右腕はグフのパーツです。ジオンのMSの方が一回り大きいので
無理やりつけたアンバランスな不気味さを狙いました。通称キメラ。

武器はグフのヒート剣にヒートロッド。射撃武器は使いません。

P33 縦に動くモノアイ
特殊なギミックがほしかったので、モノアイを縦にして背後まで
目が回るというのを考えてみました。

P34 MSのジャンプ
アムロの乗るガンダムがジャンプするので、普通のことと思いがちですが
実はガンダム以外にはそうそうできません。ですがこのガンキャノンUは

重力下での短距離ジャンプを可能にした稀有な機体!というのをやりたくて
ジャンプさせました。プラモデルの箱絵でも華麗に飛んでいます。

P36 鍔迫り合い
ヒート剣とビームサーベルではたして鍔迫り合いができるのか
ちょっとわからなかったので、そういうシーンはありません。

P37 コックピットハッチ
コックピットハッチ飛ばしは、アムロが行った神業的回避方法。

アムロ以外には無理だと思うので、アムロの経験を活かして
ハッチ表面に致命的にな熱量を感じた瞬間、ハッチを吹き飛ばし

パイロットを救うシステムが開発されたという独自設定です。

P41 ジャケット
『08小隊』で登場したベストタイプのフライトジャケット。

水に落ちた際には膨らむライフジャケットになったら面白いと
思ったので、若干膨らんでいます。

P41 補給コンテナ
P1でMSと共に投下されたジオンの補給物資の一つ。
ジオンも作戦が長期化した時に備えていましたが結果は一日で敗戦。

ガンダムの改造はこのコンテナの設備を利用して行われました。

P44 コックピット内
コックピット内にはマァヤの飾りつけがされています。
上が開く独特な陸戦型ガンダムのコックピットを活かせたと思います。

P46 お前が殺したんだ
次回へのひきとなる衝撃的なセリフ。次回もぜひご覧ください!


以上!暇つぶし設定解説でございました〜。 最後までお付き合い頂き感謝です(涙)